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今年6月16日に曽根晴美さんが亡くなりました。78歳でした。
元々、プロ野球選手を目指し、東映フライヤーズと契約直前までいったそうですが、断念。どうしようかと迷っているときに人にすすめられて、東映4期ニューフェイス試験に合格、映画俳優となります。同期には佐久間良子さん、山城新伍さん、花園ひろみさん、室田日出男さん、山口洋子さん(後に作詞家になる)など錚々たるメンバーがいます。
初期は2年後輩の千葉真一さんとコンビで売り出されていて、千葉さんの初主演作「風来坊探偵 赤い谷の惨劇」(1961 深作欣二監督)に、千葉さん演じる探偵・五郎のライバル、スペードの鉄という役で出演されてます。この映画、地方都市を舞台に地元の牧場に立ち退きを迫る観光会社の悪辣なやり口に五郎が挑み、悪玉に雇われたスペードの鉄と対決するが、最後は協力して悪者をやっつける……と書いてわかる通り、当時大人気の日活「渡り鳥」シリーズ(1959~1962 斎藤武市監督)とそっくりなんです。ほぼ同じと言っていいかもしれません。つまり、小林旭さんと宍戸錠さんの役柄がそのまま千葉さんと曽根さんになっていて、曽根さん演じるスペードの鉄もちょっとキザな感じのセリフを言ったりします。しかし、実は深作監督のデビュー作でもあり、アクション・シーンのキレには後年の名作群が遠望できます。第2作「風来坊探偵 岬を渡る黒い風」(1961 深作欣二監督)も同じパターンの話で、こちらの曽根さんの役名はジョーカーの鉄です。
上映時間1時間ぐらいのSP映画を経て深作監督の初長編「白昼の無頼漢」(1961 深作欣二監督)にも出演して強い印象を残した曽根さんは、以降多くの深作作品に登場されます。ほとんどもれなくといっていいくらいです。もちろん「仁義なき戦い」シリーズ(1973~1974 深作欣二監督)にも出ておられます。別の役で再登場が当たり前のこのシリーズ、当ブログでも3役演じた松方弘樹さんのことを取り上げました(11月27日「混沌から傑作が生まれる」の項参照)が、曽根さんも第1作、第3作&第4作、第5作と3役をこなしました。松方さんと違う点がひとつ。3役とも殺された松方さんと違って、曽根さんは第1作の矢野役は殺害されたものの、第3&4作の上田役は生き残っていたのです。前の役は生きているのにすぐ後の「完結篇」では旅人(たびにん)のヒットマンの役で出てきます。何でも、深作監督に直談判して「この役をやらせてくれ」と言ったそうです。そんな曽根さん熱演の北大路欣也さん襲撃のシーンでした。
「新・仁義なき戦い 組長最後の日」(1976 深作欣二監督)には曽根将之の名で出ているのですが、すぐまた曽根晴美に戻っています。ちょっと気になっていましたが、どなたか理由をご存知ですか?
やんちゃなガキ大将がそのまま大人になったような個性的な風貌で、数多くの東映ヤクザ映画、アクション映画に出演された曽根さんのご冥福をお祈りいたします。     (ジャッピー!編集長)