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ザ・スパイダースはGSブームの真っ只中、主演映画を撮っていますが、そこにもビートルズの影響がうかがえます。日活でヒット曲の映画化、「夕陽が泣いている」(1967 森永健次郎監督)のあと、4本の主演映画を撮っていますが、2作目、「ザ・スパイダースの大進撃」(1968 中平康監督)などは、明らかに「ヘルプ! 4人はアイドル」(1965 リチャード・レスター監督)を意識したような作品です。
「ヘルプ! 4人はアイドル」は、リンゴの指にはめられたいわくつきの指輪をめぐって追いかけられるストーリーでしたが、、「ザ・スパイダースの大進撃」の方は、密輸団が高価なダイヤを堺正章さんのタンバリンに仕込んで、それと知らないスパイダースの面々が色々あぶない目にあったりするというものです。たしか、脚本には倉本聰先生が入っていたと思います。このタンバリンを狙っている悪者が2グループいて、ひとつが真理アンヌさんをボスにした国際密輸団です。スパイダースがあちこち公演に行くたびに、どの会場にもいるので、スパイダースはアンヌさんを熱心なファンと勘違いしたりします。ダイヤを横取りしようとするもう1組は、内田良平さんと高品格さんという一目でギャングとわかるコンビなんですが、笑えるのは、アンヌさんの一味が登場すると、バックにシタールか何かインドっぽい曲が流れ、日本人ギャングが現れると、間の抜けた尺八の音が聞こえてくるのです。何というわかりやすさ!
アンヌさんの手下で、黒メガネをかけている殺し屋の草薙幸二郎さんはなぜかいつも牛乳(懐かしのテトラ・パックなのです!)を飲んでいたり、小ネタも楽しいドタバタ喜劇です。もちろん、曲の方もスパイダースは各地を公演している設定ですから、演奏シーンはたっぷり観られます!「夕陽が泣いている」「風が泣いている」「バンバンバン」「メラ・メラ」「いつまでもどこまでも」「あの時君は若かった」……と、ベスト盤的にヒット曲が聴けます。おまけに、同じプロダクションで、当初はスパイダースの弟分として売り出されていたテンプターズも登場、「忘れ得ぬ君」「今日を生きよう」が聴けます。ヴィレッジ・シンガーズも「バラ色の雲」を披露するので、GSファンには嬉しい映画です。
また、スパイダースの演奏シーンでマチャアキがステージで歌っていると、観客席におばあさんに扮した堺駿二さんがいて、「まったく今の若いもんは髪を女みたいに伸ばして、親の顔が見たいよ!」なんて毒づくので爆笑です。
そんなマチャアキも今年70歳。来たる8日には青山のブルーノートで「70th バースデー・アニバーサリー・セレブレーション」と題したライブを行うそうです。料金は5万円……ふところに余裕がある方は是非どうぞ。
(ジャッピー!編集長)